コンテンポラリーブランドに類される4つのブランドが気になる…
ここ数年、ファッション界ではコンテンポラリーブランドに類されるブランドの勢いが増しています。
コンテンポラリーとは「現代的な・今日的な」といった意味である為、一般的にコンテンポラリーブランドとは現代的なデザインや流行を取り入れるブランドのことを指します。
しかし実際には、そういったブランドの中でも、シャネルやグッチのようなハイブランドほどは高価ではなく、数万円代で購入でき、日常的に着用することのできるデザイナーズブランドを指す時によく使われる言葉です。
このコンテンポラリーブランドは、毎期各コレクションでも大きく注目され、その先鋭的なデザインはファッション界の流行を創り出しています。
そしてその中でも、コンテンポラリーブランドが注目されるきっかけを作ったのは、「ACNE STUDIOS」「3.1 phillip lim」「ALEXANDER WANG」「CARVEN」の4ブランドと言えるのではないでしょうか。
これらのブランドは、約10年ほど前にコンテンポラリーブランドの走りとして注目され始めました。
それまでも一部で人気のあったブランド達ですが、ファッション誌に大々的に取り上げられ、あらゆるセレクトショップでも見かけるようになったのはこの頃から。
そこから人気は高まり、今ではファッション界に欠かすことのできない一流ブランドとして知られています。
ACNE STUDIOS
ACNE STUDIOSは、スウェーデン初の北欧ブランド。
1998年のジーンズコレクションから始まり、今ではファッション界のトップをつき走るコンテンポラリーブランドとなりました。
ショッパーやタグに使われるコーラルピンクがブランドカラーとして有名。
ノームコアを思わせるミニマルなデザインを得意とし、Tシャツや小物などシンプルな定番アイテムにファンが定着。
ライダースやジーンズがブランドアイコンとして知られています。
ACNE STUDIOSの生み出すアイテムはシンプルなものが多いですが、細やかなデザインとシルエットの美しさにブランドの拘りが感じられます。
着心地も良く、日常生活にプレーンな上質さをプラスしてくれるリアルクローズブランドです。
3.1 phillip lim(スリーワンフィリップリム)
3.1 phillip limは、ニューヨーク初のファッションブランド。
立ち上がりが2005年と歴史は浅いですが、数多くの賞を受賞し、今やコレクションには欠かせないトップブランドです。
全体的には、女性らしくエレガントな印象。
前衛的なコンテンポラリーの雰囲気を持ちながら、上品なまとまりが見られます。
美しいシルエットやプリントを得意とし、上質なリアルクローズを提案するブランドです。
特にブランドの知名度を押し上げたのが、「31hour bag」。
文字通り31時間過ごしても問題ないほど大きなバッグで、シンプルなデザインと色遣い、使い勝手の良さで人気を博しました。
3.1 phillip limは、大人の女性にぴったりの美しく雰囲気のある服を生み出すデザイナーズブランドです。
ALEXANDER WANG(アレキサンダーワン)
アレキサンダーワンは、バレンシアガのデザイナーに就任したこともあるアレキサンダー・ワンにより、2004年に立ち上げられたニューヨークブランド。
レザーやスタッズのような強い女性像を思わせるデザインが多く、モノトーンを中心としたタイトなシルエットを特徴とします。
また、レザーやエナメル、スポーツ、ビビッドカラーといった異素材やカラーを取り入れるのも得意であり、それらはモノトーンをベースとしたコレクションに華を添えています。
近年ではユニクロのコラボ商品が話題。
セカンドラインとしてはT by ALEXANDER WANGを発表しており、特にシンプルなウェアを中心に展開。
その使いやすさと優しい価格帯に、こちらも多くの愛用者がいます。
CARVEN
カルヴェンはパリにて1945年に立ち上がった老舗ブランド。
以前はワンピースをはじめとした、小柄な女性向けのシンプルな洋服をデザインしていました。
しかし、2010年にギョーム・アンリがデザイナーに就任して、ブランドイメージは一新。
斬新なデザインとカラーは注目を集め、コンテンポラリーブランドのひとつとして一気に人気が高まりました。
雰囲気はシックガーリー。
襟や裾に施される独特のカッティングとパターン、カラーコーディネートは女性の心をくすぐり、特にギョーム・アンリ最初のコレクションで発表されたクレリックシャツは高い人気を誇りました。
デザイナーや流行りが変わっても、どのルックにもパリジェンヌらしさを残す、女の子の憧れ的ブランドです。
ご紹介した4つのブランドは、同時期にコンテンポラリーブランドとして台頭しました。
しかし、この4ブランドはそれぞれ全く異なる雰囲気と得意分野を持ちます。
同じ時代に、同じコンテンポラリーブランドとして、全く雰囲気の違うブランドに人気が集まるというのは、面白い事ですね。
これは、似たようなものを生み出すのではなく、オリジナルの表現に拘ったデザイン故ではないでしょうか。
擬似デザインをオリジナルとして発表するブランドは多いですが、目に慣れたそのデザインに消費者は本能的な魅力を感じません。
ご紹介した4ブランドのように一流ブランドになり得るのは、デザイナーのセンスと拘りは勿論、オリジナルである事に重きを置き、それを初めて見る私達の感性にビビっと刺さるからではないでしょうか。
新しい時代を生み出す4つのコンテンポラリーブランド、これからも注目していきたいですね。